引っ越しにおける訪問見積もりとは
「訪問見積もり」とは、引っ越し業者に自宅へ訪問してもらい、具体的にどれくらいの引っ越し金額になるかを計算する作業のことです。
見積もりはインターネットや電話で計算することもできます。
しかしそれだと、引っ越し当日に以下のようなトラブルが起こる可能性も0ではありません。
・自宅周辺にトラックを停める場所がない
・大きな荷物を運ぶための資材が足りない
せっかく引っ越し準備をしたのに、当日にひっくり返ってしまうというのは避けたいですよね。
訪問見積もりを行えば、荷物の量や自宅周辺の道幅、道路事情などを詳しく把握できるので、より正確な金額を計算できます。
訪問見積もりの流れ
それでは、訪問見積もりの具体的な流れを確認していきましょう。
金額を決める大切な作業ですので、丁寧に手順を踏んで行うことが重要です。
①引っ越し業者に問い合わせをする
まずは引っ越し業者に問い合わせをしましょう。
依頼を検討している引っ越し業者のホームページにコールセンター等の番号が記載してあるので、そこへかけます。
コールセンターにかけると、以下の内容についてヒアリングされます。
・連絡先
・折り返しの電話をかけてほしい時間帯
・現住所と引っ越し先の住所
後日、その地域の営業担当から折り返しの電話が入るので、そこで日程調整を行いましょう。
②営業担当者に来てもらってからの一連の作業
上記で日程調整を行ったら、実際に営業担当者に来てもらった上で、訪問見積もりを行いましょう。
訪問見積もりは以下の手順で行います。
1.営業担当者と挨拶をする
指定の時間に担当者が訪問してくるので挨拶をしましょう。
パンフレット等を持ってくることも多いので、話し合うときはそれらを見ながらプランを決めていきます。
2.荷物の具体的な量をチェックする
挨拶が終わったら、荷物量のチェックを行いましょう。
営業担当者と部屋を見て回り、どれくらいの荷物があるのかをチェックしていきます。
基本的には付いて回るだけで大丈夫です。
ただし、捨てる予定のものなどがあれば、随時伝えておきましょう。
伝えておかないと、処分予定の荷物まで引っ越し料金に加算されかねません。
家の外にも運んでほしい荷物(自転車、バイクなど)があれば、忘れずに申告しましょう。
基本的にはすべての部屋をチェックしますが、もし「どうしても部屋の中を見られたくない」ということであれば、無理に見せる必要はありません。
その場合は、部屋の中の荷物の数は種類を口頭で伝えておきます。
正確に伝えないと、当日のスケジュールにズレが発生するかもしれません。
3.引っ越し当日に関する確認を行う
荷物チェックが済んだら、再度引っ越し当日に関することを確認しておきましょう。
荷物量だけでなく、ここでの希望も引っ越し金額を決める重要な要素です。
以下の項目を確認しておくと良いでしょう。
・希望の引っ越し作業時間帯(午前or午後)
・梱包作業は自分で行うのか?
・処分したい不用品はあるか?
・車、バイク、ピアノ等大型の品物は運ぶのか?
・電気工事やエアコン移設工事等、各種工事は必要か?
こうした希望は事前に伝えておかないと、当日の申告では対応してもらえないこともあるため気を付けましょう。
4.引っ越し作業に関する詳細説明を聞く
上記を踏まえて、どのような流れで引っ越しを行うのかなどを説明されます。
各引っ越し業者ごとの特徴やサービスなどの説明もあるので、きちんと確認をして業者選びの材料にしましょう。
5.見積書を作成してもらう
すべての説明が終わったら見積もりを作成してもらいましょう。
荷物量や当日に希望するサービス、トラックの空き状況などによって費用は異なります。
当日の対応では難しいこともあるため、自分の希望は漏れなく伝えましょう。
6.納得したら契約 or 見積もりをもとに後日検討する
その内容に納得すればその場で契約しても構いません。
その場合は、荷造り用の段ボールを受け取って終了となることが多いです。
もちろん「他社と比較したい」ということであれば、見積もり結果をもらって後日検討という形でも問題ありません。
いずれにしても「自分が納得できる金額かどうか?」を最優先に考えましょう。
訪問見積もりにおける7つの注意点
訪問見積もりは上記の流れで行うのが一般的です。
それでは、実際に訪問見積もりを行う際の注意点も確認しておきましょう。
複数の引っ越し業者から見積りをしてもらう
複数の引っ越し業者で見積もりを行いましょう。
1社だけでは見積もりが高いのかどうかがわかりません。
サービス内容も引っ越し業者によってさまざまです。
同じ作業でも別途料金を請求されることがあれば、ひとつのパックとして対応してくれることもあります。
事前に引っ越し相場を把握しておく
ざっくりでも良いので、事前に引っ越しの相場を確認しておきましょう。
複数社に訪問見積もりをすれば相場は見えてきますが、事前に「このくらいの荷物量のときはこのくらいの相場になる」ということを把握しておけば、よりスムーズに引っ越し業者を選べます。
見られたくないものはまとめておく
訪問見積もりの際は、自宅のほぼすべてを担当者に見てもらうことになります。
そのため、見られたくない物などがあれば、事前にまとめておきましょう。
まとめた物は、風呂場やトイレなどに一旦置いておくと良いでしょう。
風呂場やトイレの荷物に関しては、あまり大きな物が置かれていることがありません。
そのため、担当者も確認しないことが多いのです。
とはいえ、見られたくない荷物量が多すぎると、当日の料金に影響を与えかねません。
その場合は、見せていない荷物がどのくらいあるのかを事前に担当者に伝えておきましょう。
営業担当者が来たらすぐに見積りの金額だけ聞かない
見積もり金額は、実際の荷物量や希望サービスなどを確認した上でないと計算できません。
そのため、金額だけを手早く聞いて終わらせようとするのはやめましょう。
担当者も正確な金額を伝えられないため、最終的に損をするのは自分です。
複数の引っ越し業者を同時に家に呼ぶのは避けること
複数社に訪問見積もりを依頼する際は、必ず別日(あるいは同日の別時間帯)で訪問してもらいましょう。
訪問見積もりは1回につきそれなりの時間がかかるため、いっぺんに行いたいという方もいます。
しかし、一度にまとめてしまうと、競合に自社サービスを知られてしまうことを恐れ、引っ越し業者から訪問を断られてしまうことがあります。
また、1社に使える時間が物理的に減るため、じっくり話を聞いて検討することができません。
一度にまとめて効率的にしたい気持ちはわかりますが、結果として丁寧な訪問見積もりができないためやめましょう。
飲み物やお茶などは出さなくてよい
自宅に人を招くと、ついもてなしたくなる方もいるでしょう。
しかし、必ずしも飲み物やお茶を出す必要はありません。
こちらがお客様側なので、そこまで丁寧なもてなしをしなくても大丈夫です。
もちろんこれは「自分が客だから横柄にしていい」というわけではありません。
検討中であればダンボールなどは受け取らない
複数社で訪問見積もりをするのであれば、後日検討するというパターンも増えます。
そのため、ダンボールなどは受け取らずに担当者を返しましょう。
基本的に、ダンボールは「契約した方」に配っている物です。それを受け取ってしまうと、なんとなく断りづらい雰囲気にもなりかねません。
訪問見積もりで料金を安くする4つの方法
訪問見積もりは、上記のことに気を付けると失敗しません。
それでは、どのすれば引っ越し金額を安くできるのでしょうか?その具体的な方法について解説します。
見積り後に即決できる料金を伝える
見積もりを出してもらった後で、「この金額なら即決できる」という額を伝えましょう。
引っ越し業者は、なるべくその日のうちに契約を取りたいと思うもの。
そのため、即決してもらえるのであれば、それに越したことはありません。
もちろん、あまりにも値切りすぎた金額を提示すると、引っ越し業者としても利益が減ってしまいます。
他社の見積りの値段を伝える
すでに他社で訪問見積もりをしたのであれば、その金額を担当者に伝えましょう。
その金額が自社よりも低いものであれば、多少なりとも値下げしてくれる可能性があります。
引っ越し業者側としても、多少利益が下がってでも、許容範囲であれば契約したいところ。
金額が下がらなくても、付帯サービスを無料にするなどの対応をしてくれることもあります。
契約したい業者の引っ越し見積りを最後にする
自分で引っ越し業者を調べて、訪問見積もり前に「なんとなくここが良いな」と検討をつけていることもあるでしょう。
その場合、契約可能性が高い引っ越し業者の訪問見積もりは、最後にするのがオススメです。
他社の状況をすべて把握しておくことで、最後の訪問見積もりのときに金額比較がしやすいですし、「契約の優先度は高いが金額面が唯一ネック」という伝え方をすれば、ギリギリまで安くしてくれることもあります。
安くできる時間帯や曜日がないか聞いてみる
引っ越し時間帯や曜日によっては、金額を下げられることがあります。
例えば、引っ越し希望者が多い休日は金額も若干高いことが多いです。反対に依頼が少ない平日は、金額を安くすることで依頼を獲得しようとすることもあります。
そうした事情も聞いてみて、引っ越し料金を安くできる時間帯などを確認しましょう。
他にも引っ越しの掃除に関する記事なども記載していますので、ぜひご覧ください。